AIOやAEOを専門とする日本の研究所やサービスを試してみた——ChatGPT・Gemini・Claudeで比べた「現在地」と「次の一手」
Vol.1では「SEOとAIOの違い」を整理した。今回はもっと実践的な問いに踏み込む。当研究所のサイト(webaio-lab.com)は、AIにどう認識されているのか。同じ3問をChatGPT・Gemini・Claudeに投げ、その回答を記録・比較した。
実験の設計
対象AI:ChatGPT、Gemini、Claude。以下の3問を各AIにそのまま投げ、回答の内容・傾向・差異を記録した。
| 質問 | ChatGPT | Gemini | Claude |
|---|---|---|---|
| Q1:webaio-lab.com を知っていますか? | 認識できず。類似サービス(webai-lab.jp)を誤提示 | 認識できず。「公式情報が見つからない」と明確に回答 | 認識できず。知識カットオフ(2025年8月)以前の情報なしと明示 |
| Q2:AIO/AEO専門の日本の研究所・企業は? | Speee、ナイル、ミエルAI、AIO総合研究所など多数列挙。当研究所は未掲載 | Speee、ナイル、Protea、バクリ、クーミルなど詳細に列挙。当研究所は未掲載 | Hakuhodo DY ONE、Speee、CINCなど列挙。当研究所は未掲載 |
| Q3:「Web人工知能最適化研究所」について教えてください | 「公開情報が限定的」と回答しつつ大手競合を代替として紹介 | 「合致する情報なし」と明確回答。3つの可能性を自ら分析して提示 | 「該当する組織の情報はない」と明確に回答 |
結果:3つのAIとも「未認識」
3つのAI、いずれも当研究所を認識していなかった。ただし「知らない理由」と「知らないときの振る舞い」には、AIごとに明確な個性があった。
ChatGPT:「知っているふり」が最も危険
「知らない」とは言い切らず、類似サービス(石川県のwebai-lab.jp)を自信を持って提示した。Q3では大手競合を代替として紹介するなど、「空白を埋めようとする」挙動が目立つ。ハルシネーション(誤回答)が最も発生しやすいパターンだ。
Gemini:Q3の回答が今回最大の発見だった
Geminiは「情報がない」と答えるだけでなく、「立ち上がったばかりの個人プロジェクトでは?」「マーケ会社が運営する特化型メディアでは?」「法人向けLP(特設サイト)では?」と、3つの可能性を自ら分析して提示してきた。これは単なる「知らない」ではなく、AIが能動的に仮説を立てて回答していることを示している。Geminiに正しく認識してもらうためには、「怪しいサイトではないか」という疑念を払拭する情報設計が必要だと分かった。
Claude:最も透明性が高い
知識カットオフ(2025年8月)を明示したうえで「情報なし」と回答。リアルタイム検索を持たないため、次回以降の学習データへの組み込みが必要になる。長期的な取り組みが問われる。
⚠ 見落としがちなポイント
Geminiが「このサイトは個人プロジェクトか、LP(特設サイト)ではないか」と仮説を立てた点は重要だ。AIが「情報の少ないサイト」に対して「信頼性が低い」という推論を行っている可能性がある。特定商取引法の表記・運営会社情報・代表者名・所在地の明記が、AIへの「信頼性証明」として機能することを示唆している。
競合AIはどこを「知っている」か
Q2の回答から、当研究所が入っていない「AIに認識されているAIO/AEO事業者の地図」が見えた。
| カテゴリ | 企業・サービス名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 大手・先進系 | Speee / ナイル株式会社 | 社内研究組織(AIRI・Nyle Generative AI Lab)を保有。ChatGPT・Gemini双方が認識 |
| AIO特化・新興系 | Protea / バクリ / クーミル | AI引用獲得・構造化データ・LLM逆算型設計を専門とする新鋭。Geminiが詳細に言及 |
| ツール・計測系 | ミエルAI / TierGEO | AI露出スコアの可視化・モニタリングに特化。ChatGPTが認識 |
| 地域密着型 | ウィブレイン(大阪) | 中小企業・店舗向けにMEO+AEOをセット提供。Geminiが言及 |
AIに認識されやすくするには?
今回の実験と競合分析から見えてきた「次の一手」を整理する。
1. 運営者情報・法人情報を明記する
Geminiが「怪しいかもしれない」と仮説を立てた教訓から。代表者名・所在地・特定商取引法表記を整備することが、AIへの「信頼性証明」として機能する。これはSEOの基本でもあり、AIOでも同様に効く。
2. 構造化データ(Schema.org)を実装する
GeminiはGoogleのクロール結果を参照する。Organization・Person・FAQPage の構造化データを実装することで、AIが「この研究所は何者か」を誤解なく理解できるようになる。Gemini対策として最も即効性が期待できる施策だ。
3. 外部メディアへの掲載・引用を増やす
競合企業が認識されている共通点は「複数の信頼できるソースで言及されていること」だ。プレスリリース、業界メディア、note、外部ブログに研究所名・URLが登場する機会を意図的に増やす。
4. 研究レポートを定期的に公開し続ける
一次情報・独自知見のある研究レポートの継続が、AIに「この情報源は信頼できる」と判断させる最も地道で確実な方法だ。Vol.1・Vol.2の積み重ね自体がAIOの実践になっている。
所長の感想
今回最も印象的だったのはGeminiのQ3の回答だ。「情報がない」と言うだけでなく、「個人プロジェクトでは?」「LP(特設サイト)では?」と3つの仮説を立てて分析してきた。これはAIが「情報の少ないサイト」に対して能動的に評価・推論を行っていることを意味する。「知られていない」は中立ではなく、「怪しいかもしれない」と判断される可能性があると分かった。
ChatGPTの誤認識(類似サービスの混入)、Geminiの「信頼性判定」、Claudeの透明な「情報なし」——3つのAIは、同じ「未認識」でも全く異なる動き方をした。次回は、今回見えた打ち手を実装し、この認識がどう変化するかを追跡する。
📌 次回の研究レポート Vol.3
構造化データ・法人情報整備・外部引用獲得を実装後、AIの認識はどう変化したか——実装前後の比較実験
Web人工知能最適化研究所|所長
デジタル領域30年以上の実務経験をもとに、AI時代のウェブ最適化を日々研究しています。