サイトを公開してから28日間、Google AI Overviewはいつ・なぜ動き始めたのか——webaio-lab自身のデータで振り返る

研究レポート Vol.4|2026年6月|WEB AI 最適化研究所


はじめに:「自分のサイトで実験する」という選択

前回のVol.3では、ChatGPT・Gemini・Claudeが「どんなサイトを信頼するか」を比較しました。

今回は少し視点を変えます。

他のサイトを観察するのではなく、このwebaio-lab自身のデータを使って振り返るレポートです。

2026年6月、WEB AI 最適化研究所は正式にサイトをローンチしました。5月末からコンテンツの準備と試験公開を進めており、SCのデータもその時点から動き始めています。そこから28日間、Google Search Console(以下SC)のデータをリアルタイムで観察していました。クリックがゼロの日々、初めてクリックが入った瞬間、そして急増に転じたタイミング——その変化の記録です。

「AIに評価されるサイト」を語るなら、まず自分のサイトで何が起きたかを正直に書くべきだと思いました。


28日間のデータ:何が起きたか

SCデータをそのまま示します。

5月27日〜6月8日:表示回数ゼロ〜ほぼゼロ、クリックゼロ

ローンチ直後は、Googleにほぼ存在を認識されていない状態でした。5月30日に初めて8回の表示が記録されましたが、クリックはゼロ。6月8日まで、クリック数は一度も発生しませんでした。

6月9日:初クリック発生(2クリック)

ローンチから約10日後、ようやくクリックが入り始めました。この日を境に、データが動き出します。

6月11日:7クリック(最初のピーク)

わずか2日後に7クリックを記録。掲載順位は19.1位と、この期間では最も上位に表示された日です。

6月21〜23日:10〜11クリック(第二のピーク)

6月21日に11クリック、22日・23日に各10クリック。CTRは33%前後まで上昇しました。

28日間の合計は、クリック69回・表示回数765回・平均CTR 9.0%・平均掲載順位34.4位。

数字だけ見ると地味かもしれません。ただ、ゼロから始まって28日でここまで動いたという事実には、何らかの理由があるはずです。


なぜ6月9日に動き始めたのか

この日に何か特別なことをしたわけではありません。意図的な施策のタイミングとも一致していません。

では何が変わったのか。考えられる要因を整理します。

① Googleのクロール・インデックスが本格化した

新しいサイトがGoogleに認識されるまでには、一定の時間がかかります。ローンチ時にサイトマップをSearch Consoleに送信していましたが、実際にクロールされて評価に反映されるまでの「待ち時間」が約10日だったと考えられます。

② コンテンツの量が一定の閾値を超えた

ローンチ時点ではVol.1・Vol.2の研究レポートが公開されていました。サービスページ・AIEOページ・SEOページなどと合わせて、「このサイトは何者か」をGoogleが判断できる情報量が揃い始めた時期と重なります。

③ AI Overviewの引用が始まった可能性

これは確認が難しいのですが、6月9日前後から「ai experience optimization」というクエリでのクリックが発生しています。このクエリは表示7回でクリック2回・掲載順位5.3位という、他のクエリと比べて異常なほど高いCTRを示しています。

通常の検索結果で5位前後のページがCTR 28%を超えることは珍しい。AI Overviewへの引用、または検索結果上部での強調表示が起きていた可能性があります。


データが示す「取れているもの」と「取れていないもの」

ここが、このレポートで最も正直に書きたい部分です。

取れているもの

トップページ(/)は63クリック・CTR 63.6%・掲載順位5.3位という驚異的な数字を出しています。「WEB AI 最適化研究所」「webaio-lab」など、ブランド名での検索では強い。

取れていないもの

「検索エンジン最適化」(206表示・0クリック・掲載順位68.9位)、「aieo」(171表示・0クリック・掲載順位10.0位)——表示回数は多いのに、クリックがほぼゼロのクエリが複数あります。

特に「aieo」は掲載順位10位という、クリックが期待できる位置にいます。それでもクリックがゼロということは、タイトルやメタディスクリプションが検索意図と合っていない可能性があります。

また、モバイルのCTRが0.6%(PCは11.5%)という大きな差も課題です。表示回数164回に対してクリック1回は、モバイルでの表示品質か、ページ体験に問題があることを示唆しています。


AI Overviewに「引用されやすいコンテンツ」について、28日間で気づいたこと

データを眺めながら、いくつかの仮説が浮かびました。まだ検証途中のものも含みますが、正直に書きます。

仮説①:ブランド検索への強さが、AI引用の入口になる

トップページのCTR 63.6%は、ブランド名での検索が多いことを意味します。つまり「WEB AI 最適化研究所とは何か」を調べた人がクリックしている。

AIがサイトを「信頼できる専門家」として認識するとき、まず「このサイトは何者か」という基本情報の明確さが重要ではないかと感じています。ブランド検索に強いサイトは、AIにとっても「素性が分かるサイト」として扱われやすい。

仮説②:一次情報のページが「引用される単位」になる

研究レポートのVol.1〜3は、いずれも「所長が実際に試したこと」を書いています。どこかからの転載でも、まとめ記事でもない。

SCデータを見ると、/research-report/ ページは70表示・1クリック・掲載順位5.0位と、小さいながらも安定したポジションを持っています。コンテンツの独自性がGoogleの評価に反映されている可能性があります。

仮説③:「掲載順位は高いのにクリックされない」クエリがAI Overviewのサインかもしれない

「aieo」クエリで10位前後にいるのにクリックがゼロ、という現象は不自然です。通常、10位前後なら多少はクリックされます。

一つの解釈は、AI Overviewが上部を占拠していてオーガニック結果まで目が届かない状態——つまりクリックはAI Overviewに吸収されている可能性です。これは現時点では仮説ですが、「表示は多いのにクリックゼロ」というパターンはAI Overview存在のシグナルかもしれません。


28日間でやったこと、やらなかったこと

正確を期すために記録しておきます。

やったこと
– サイトマップのSearch Console送信
– 各ページへのmeta descriptionの設定
– 構造化データ(Organization, FAQ)の実装
– 研究レポートVol.1〜3の公開(月2本ペース)
– 著者プロフィールの明示

やらなかったこと
– 外部からの被リンク獲得施策
– SNSでの積極的な拡散
– 広告出稿

つまり、オーガニックな評価だけで28日間のデータが作られたということです。被リンクなし、広告なしで「web制作 AI最適化」2位、トップページCTR 63.6%という結果は、コンテンツの内容と構造が評価された結果と解釈しています。


次の28日間でやること

Vol.4を書いた今、課題は明確になりました。

① 「aieo」関連ページのタイトル・メタディスクリプション改善

10位前後にいてクリックがゼロなら、まずここを直します。検索意図に合ったタイトルに変更し、クリックされる理由を作る。

② モバイル表示の改善

CTR 0.6%は看過できません。モバイルでのページ表示速度とUI確認を行います。

③ 研究レポートの継続

Vol.4を書いた今日もそうですが、「実際に試して書く」というサイクルを続けることが、AIに評価されるサイトの基本だと改めて感じています。


まとめ:「自分のサイトを実験台にする」ことの価値

他のサイトを分析する研究も大切です。ただ、自分のサイトのデータを正直に開示することには、それとは違う価値があると思っています。

うまくいっていること、うまくいっていないこと——両方を書く。それが「一次情報」の誠実さだと考えているからです。

28日間で見えてきたのは、AI Overviewを含むGoogle検索の評価は、「誰が・何のために・どんな実体験を持って書いたか」を着実に読み取っているということです。大手に予算で勝てなくても、誠実さと専門性の深さでは戦える余地がある。

それを自分のデータで示すことが、Vol.4を書いた理由です。


本レポートは、2026年5月27日〜6月23日のGoogle Search Consoleデータをもとに作成しています。

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