# 同じ質問を3つのAIに投げたら、引用するサイトがバラバラだった——ChatGPT・Gemini・Claudeの「信頼基準」を探ってみた
**研究レポート Vol.3|2026年6月|WEB AI 最適化研究所**
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## はじめに:AIが「参考にするサイト」は、なぜ違うのか
前回のVol.2では、「AIOやAEOを専門とする日本の研究所やサービス」というキーワードで3つのAIに質問し、それぞれの回答がどれほど違うかを比べました。
結果は予想以上に差がありました。あるAIは業界大手をすらすら挙げ、あるAIは「そのようなサービスは把握していません」と答えた。同じ質問なのに、です。
そのとき自然に浮かんだ疑問が、今回のテーマです。
**「なぜAIによって、引用・参照するサイトがこれほど違うのか?」**
各AIには、それぞれ独自の「信頼できる情報源」の判断基準があるはずです。それを明らかにできれば、「AIに紹介してもらえるサイト」と「されないサイト」の違いも見えてくる。
経営者や事業主の方にとっては、Googleでの検索順位と同じくらい——いや、これからはそれ以上に重要になるかもしれない問いです。
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## 今回の実験:同じ質問を3つのAIに投げてみた
### 実験の設計
今回は以下の条件で実験を行いました。
**使用したAI**
– ChatGPT(GPT-4o、Web検索あり)
– Gemini 1.5 Pro(Google検索連携あり)
– Claude(claude.ai、通常モード)
**質問テーマ**
中小企業・個人事業主が実際に検索しそうな、身近なビジネス系キーワードを複数設定しました。
1. 「中小企業がホームページをリニューアルするときの注意点」
2. 「AIO対策とはなにか、具体的な方法を教えてください」
3. 「東京都内でWeb制作を依頼するならどんな会社がいいか」
**確認したこと**
– どんなサイト・情報源を引用・参照しているか
– 根拠の示し方(URLを明示するか、曖昧に述べるか)
– 回答の”鮮度”(最新情報への言及があるか)
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## 結果①:ChatGPTの場合——「新しさ」と「検索上位」を重視する傾向
ChatGPT(Web検索あり)の最も特徴的な点は、**Bing検索の結果を反映した「今この瞬間の情報」を引いてくる**ことです。
質問1「ホームページリニューアルの注意点」では、公開から数ヶ月以内と思われる記事を複数引用し、URLとともに回答の根拠として示しました。
引用されたサイトの傾向を観察すると、こんな特徴が見えてきました。
– **大手メディア・オウンドメディア**(Web制作会社が運営するブログなど)が多い
– **タイトルにキーワードが明示されている**記事が選ばれやすい
– **更新日が新しい**コンテンツを優先している様子がある
– 個人ブログや小規模サイトはほぼ引用されなかった
質問2「AIO対策とは」では、「AIO」という比較的新しいキーワードに対しても即座に検索を行い、直近の解説記事を引用。情報の鮮度という点では3つのAIの中で最も優れていました。
一方、質問3「東京のWeb制作会社」については、検索上位に出てくる比較サイト・まとめサイトの情報をそのまま引用する傾向があり、**「本当に良い会社」より「検索に強い会社」が紹介されやすい**という限界も感じました。
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## 結果②:Geminiの場合——E-E-A-Tと「Googleが評価するサイト」の連動
GeminiはGoogleが開発したAIということもあり、**GoogleのSEO評価軸(E-E-A-T)と連動している**ように感じられる回答が目立ちました。
E-E-A-Tとは、Googleが検索品質を評価する際に重視する4つの要素です。
– **Experience**(経験):実体験に基づいた情報か
– **Expertise**(専門性):専門家が書いているか
– **Authoritativeness**(権威性):業界で認知されているか
– **Trustworthiness**(信頼性):正確で誠実な情報か
質問1のリニューアル注意点では、制作会社の公式サイトや業界団体のガイドラインなど、**「誰が書いたか」が明確なコンテンツ**を好む傾向がありました。著者名・会社名・実績が明示されているページが選ばれやすい印象です。
質問2のAIO対策については、ChatGPTと比較してやや保守的で、**確立された情報源**(大手IT系メディア、研究機関など)を優先する傾向がありました。新興の専門サービスへの言及は少なめです。
特徴的だったのは、**Googleビジネスプロフィールや構造化データが整備されていると思われるサイト**への参照が多いこと。Googleのエコシステムと連動している分、SEOとAIO対策が重なりやすいと言えます。
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## 結果③:Claudeの場合——学習データ重視、一次情報と専門的深度を好む
Claudeの最大の特徴は、**リアルタイムのWeb検索を行わず、学習済みデータをもとに回答する**点です(claude.aiの通常モードの場合)。
これは一見「情報が古い」という弱点に見えますが、裏を返せば**「学習データに入るほどの情報量・信頼性を持つサイト」が選ばれる**ということでもあります。
質問1のリニューアル注意点では、特定のURLを示すことはありませんでしたが、業界全体に広く認知されている考え方・手法を体系的にまとめた回答が返ってきました。引用元が曖昧な分、**内容の深さと論理的な構造**で信頼性を担保しようとしているように見えます。
質問2のAIO対策については、最も丁寧な概念説明が返ってきました。「AIOとは何か」という基本から、実践方法の論理的な整理まで。ただし、具体的なサービス名・企業名の言及は3つの中で最も少なかった。
Claudeが「信頼できる情報源」として学習に取り込みやすいサイトの特徴として、以下が考えられます。
– **一次情報・独自調査・実体験**に基づいたコンテンツ
– **専門用語を正確に使い、論理的な構成**を持つ記事
– **継続的に更新されており**、サイト全体としての情報量が豊富
– **運営者・著者情報が明確**で、専門性が伝わるプロフィールがある
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## 3つのAIを比べてわかった「信頼されるサイト」の共通点と違い
実験結果を整理すると、各AIの傾向はこのように対比できます。
| 観点 | ChatGPT | Gemini | Claude |
|——|———|——–|——–|
| 情報源 | Bing検索結果 | Google検索連携 | 学習済みデータ |
| 重視すること | 新しさ・検索上位 | E-E-A-T・権威性 | 専門的深度・一次情報 |
| URL明示 | する(積極的) | する(選択的) | しない(概念で示す) |
| 小規模サイトの扱い | 引用されにくい | 引用されにくい | 内容次第で可能性あり |
| 更新頻度の影響 | 高い | 中程度 | 低い(学習タイミング次第) |
**3つのAI共通で重視していること**も見えてきました。
1. **運営者・著者が明確であること**——匿名・素性不明のサイトは選ばれにくい
2. **専門性が伝わるコンテンツ**——浅い説明より、深く丁寧に書かれた記事
3. **継続的な情報発信**——単発ページより、複数のコンテンツが揃っているサイト
4. **事実・根拠に基づいた記述**——感想や意見だけでなく、裏付けのある情報
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## では、中小企業・個人事業主のサイトはAIにどう見られているのか
ここが、多くの経営者・事業主の方に最も気になる部分だと思います。
率直に言えば、**「ほとんどのAIに、まだ見えていない」のが現状**です。
理由は3つあります。
**① コンテンツの量と深さが足りない**
多くの中小企業サイトは、会社概要・サービス紹介・お問い合わせで構成されています。AIが「この会社は何の専門家で、どんな実績があるか」を判断するには情報が少なすぎます。
**② 一次情報が少ない**
「よくある質問」も「サービスの特徴」も、同業他社が書いているような内容と大差ない。AIにとっては「どこにでもある情報」と判断されてしまいます。
**③ 運営者の専門性が見えにくい**
代表者のプロフィール、実績、考え方——これらが薄いと、AIは「信頼できる専門家が運営するサイト」とは認識しにくい。
逆に言えば、これらを改善するだけで、AIに「見えるサイト」になれる可能性があります。大手に予算や知名度で勝てなくても、**「専門性の深さ」と「情報の誠実さ」では勝負できる**のです。
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## AIに信頼されるために、今すぐできること3つ
実験結果と分析を踏まえ、中小企業・個人事業主がすぐに取り組めるアクションを3つに絞りました。
**① 「誰が・何の専門家として・どんな実績で運営しているか」を明文化する**
代表者プロフィール、会社概要、実績紹介を充実させてください。資格・経歴・受賞歴だけでなく、「なぜこの仕事をしているのか」という背景や考え方も書くと、専門性の深さが伝わります。
**② 自社にしか書けない「一次情報」のコンテンツを作る**
現場で気づいたこと、お客様からよく受ける質問と本音の答え、業界の実態——こうした「自分だけが知っていること」を記事にしてください。AI(特にClaude)は、独自性の高いコンテンツを高く評価する傾向があります。
**③ 構造化データ(Schema.org)を整備する**
技術的な話になりますが、ホームページに「組織情報」「サービス情報」「FAQ」などの構造化データを追加することで、AIが情報を読み取りやすくなります。WordPressであればRank Math SEOなどのプラグインで比較的簡単に設定できます。
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## まとめ:AIの「信頼基準」は、良いWebサイトの条件と重なっている
今回の実験を通じて感じたのは、AIが「信頼できる」と判断する基準は、**「人間にとっても信頼できるサイトの条件」とほぼ同じ**だということです。
誰が運営しているか分かる。専門的な情報が深く書かれている。独自の視点や実体験がある。継続的に更新されている。
これはSEOの世界でも長年言われてきたことですが、AI時代においてその重要性はさらに増しています。なぜなら、AIは検索順位のように「数字」で評価するのではなく、コンテンツそのものの「質と誠実さ」を読み取ろうとするからです。
Googleに強いサイトを作ることと、AIに信頼されるサイトを作ること——その道は、実はかなり重なっています。ただ、重なりきらない部分もある。
次回Vol.4では、その「重なりきらない部分」——SEO対策とAIO対策で**やることが異なる領域**に焦点を当てて探っていきます。
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*本レポートは、2026年6月時点の各AIサービスの動作をもとに作成しています。AI各社のアップデートにより、挙動が変わる場合があります。*
*WEB AI 最適化研究所 / JAPAN DIGITAL*